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モノ書きさんのための校正・校閲術 ~基本の”素読み編”~

物書きばなし
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自分が書いたものの誤字・脱字・衍字チェック

もの書き仲間の皆様、ごきげんよう。

自分で書いたものって、気合入れてチェックしたつもりでも不思議と間違いを取りこぼしてしまいますよね。

創作だけではなくて、ライティングやビジネス文書でも同じなため、細心の注意を払ってチェックをかけておられると思います。

理論上は注意さえすれば誤字や脱字、衍字などの基本的なエラーは出ないかあるいは発見できるはずです。

しかしそこは人間のすること、必ずどこかに間違いが出るものと心得て事に当たるのが重要ですね。

今回はもっとも基本的な校正・校閲の方法について概説します。

文字だけではイメージしにくい部分も多いかもしれませんが、ぜひ原稿を片手に読んでくださればと願います。

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基本にして極意の”素読み校正”

「校正」とは原稿が指示通り修正されているかのチェック、「校閲」とは文章などの内容に不備がないかのチェック。
概ねこのように理解できます。

しかし書き上げた原稿の第一弾、いわゆる「初稿(校)」についてはゼロからの目視でチェックしなくてはなりません。

これを「素読み校正」と呼ぶことがあります。

校正と名はつきますが実際には校閲に近い作業であり、基本にして極意ともいえる重要な作業です。

ただ読むだけではなく、そこからさまざまな情報を把握して不備を正し、原稿を仕上げていくことが必要です。

本稿ではそんな素読み校正の基本を解説してみましょう。

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紙に出力。そして用意するもの

おすすめは、ぜひ原稿を紙に出力してチェックすることです。
ペーパーレス化が推進されて画面上で校正を行うことも増えましたが、基本の習得には紙の一覧性とすぐに書き込みができるレスポンスが強みとなります。

そして以下のものをご用意ください。

・赤ペン
・青ペン(見やすければ他の色でもOK)
・シャーペンか鉛筆

どうしても画面上で行いたいという方は、wordなどのコメント機能で色を変えるとよいでしょう。

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1文字ずつチェック

素読み校正の基本は、「1文字ずつ」のチェックです。

赤ペンで文字の横に点を打ちながら読み進める人もいます。

これは「読み飛ばし」を避けるための措置で、人間の目は単語や文節を補正して読んでしまうため、特に脱字・衍字に気が付かないことがあります。

環境が許せば、自身で一音ずつ声に出して読み上げながら校正するという方法もあります。

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絶対の間違いはすぐに赤ペンで書きこむ

上記で3種類の筆記用具をそろえたのには意味があります。

校正で書きこむ指摘を「朱書き」「朱入れ」「赤字」などと様々に呼びますが、明らかな間違いは赤ペンでしっかりと注記するのが基本です。

誰がみても一目瞭然であり、次回の修正ではもらさずに直さなくてはならない部分として強調されます。

そして、そんな赤字相当の間違いは見つけたときにすぐ書きこむのが鉄則です。

「似たような間違いがほかにもあるかも」
「次の行にもちらっと間違いが見えたので、まとめて書こう」

と後回しにすると、ふとしたことで忘れてしまう場合が多々あります。

朱書きはその場その時で、確実に入れる。
地味なことですがこれをお忘れなきようお願いします。

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疑問点は青(または他の色)ペンで「?」を書きこむ

さて、赤ではない色のペンも用意しましたが、これは基本的に疑問点へのチェックです。

たとえ自分で書いた文章でも、読み返すと表現や記述に不明な点が出てくるのは当然のこと。
その都度調べ直すと時間がかかるため、青などの色ペンで丸囲みして疑問点を書きだしておきます。

「数値OKか?」
「固有名詞あっているか?」
「漢字表記正しいか?」

等々、何に対して疑問を感じたのかを正確にメモしておくことも効果的です。

これは校閲的な要素にあたるもので、単に打ち直せばいい「朱書き」の部分とは異なり、後で一括して再調査する必要があるものです。

素読み校正ではこのように、後でするべき修正作業の性質をあらかじめ分類しておくという作業も含まれます。

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統一すべき表記はシャーペンで囲んでおく

シャーペン、あるいは鉛筆を用いるのは「統一表記」をチェックするためです。

固有名詞や人称、その他あらゆる表記で一貫した文字使いが必要なものが当然出てきます。
これらが揃っていないことを「表記揺れ」といい、一般的な校正・校閲作業でも不可欠なシークエンスとなっています。

文字数の多い文書ではデータ上で表記揺れを検索するのも手間なため、素読みの段階で気が付いたところはシャーペンでマルをつけながら進行します。

なぜシャーペンや鉛筆かというと、赤ペンとその他の色ペンにもう1色加わると版面がうるさくなり、次の修正原稿としてとても読みにくくなるためです。

また、あとで不要と分かれば消しゴムで消すこともできるため、メモを欄外に走り書きしておくのにも重宝します。

朱書きを含めても原稿には最低限の書き込みとし、視認性を高める工夫も次工程の間違いを防止するポイントです。

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目先を変えてチェックする方法を工夫する

どんなに気を付けても、どんなプロが執筆やチェックを行っても間違いは必ず出るものと考えたほうがよいでしょう。

それだけに、なるべく集中できるコンディションを整えて校正に臨むことも大事です。

おすすめは、執筆からしばらく時間をおいてから読み直すこと。
なるべく先入観から離れてゼロベースからチェックをかけるのが望ましいという意味ですが、これも書いた本人によるチェックでは限界がありますね。

そこで少し乱暴な方法ですが、目先を変えるためのテクニックをいくつか挙げてみましょう。

・原稿データのフォントを変える
・原稿データの文字方向を変える
・Word→PDFなど、保存形式を変えて見た目を一新する

このうち、校正用データとしてPDFに変換したものを用いるのは特に効果を実感しています。
万が一にも要修正箇所以外をいじってしまわないようにするのはもちろん、それまで見ていた版面と雰囲気が変わるため、目の「慣れ」がリフレッシュされます。

これらはごく一例ですが、もっとも理想的なのは余裕をもって原稿を仕上げ、校正・校閲にかける時間を十分に確保することです。

しかしこれもなかなか実現できないことのため、もしお急ぎの場合は上記の方法を試してみてください。

何よりも、生データを扱う際に余計なところを意図せずいじってしまう、という事態にはご注意くださいますよう。

参考になれば、幸いです!

帯刀 古禄・記

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