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ペンネームのタイプを11種に分類! 属性別の作風イメージについての考察

物書きばなし
j****************************mさんによる写真ACからの写真
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ペンネーム、使っていますか?

作家活動を行うにあたっての名前である「ペンネーム」。

もちろん本名で活動する方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、物語を紡ぐにはいつもの自分と違った「作家モード」にスイッチするためにも、ペンネームは有効ではないでしょうか。

さまざまな思いが込められたペンネームは百花繚乱、実に多彩なものが存在していますね。

一度聞いたら忘れられないようなインパクトのあるものから、深イイ話やエピソードに由来するもの等々……。

そんな作家としての名前ですが、いざタイトルの下や本の表紙などに記された際、読み手としてはその第一印象からある種の「作風イメージ」を膨らませはしないでしょうか?

以下は、わたくし三條の勝手な印象と分類ではありますが、ペンネームの属性からその作風に対してどのようなイメージをもつのかを、考察してみることにしたいと思います!

※歴史上の人物と判断した作家さんには、敬称を略しています。
「織田信長」!みたいな感じで。

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色彩タイプ

まずは、ペンネームに「色」の名前が入るタイプです。

「紅」「紫」「蒼」「翠」「玄」などなど、字面から直接色彩とそれに関わる事物への共感覚を引き起こします。

こういった色彩に関わる語句をペンネームに取り入れる作家は、心情描写や言葉の表現そのものにこだわりをもつ方が多いように感じます。

また、使用する色名も「暖色系」と「寒色系」では受ける印象も異なり、それぞれに得意とする作風への思いが無意識に込められているのかもしれませんね。

「紫式部」はペンネームではありませんが(笑)、雅やかな王朝文学の情趣にぴったり合っています。

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ひらがなタイプ

姓でも名でも、ひらがなが使われていると、ぐっと優しげな印象を受けますよね。

どちらかというと女性的なイメージで、作品の内容や文体もたおやかなのでは、と想像します。

「さくらももこ」さんや、「朝井まかて」さん等が思いつきました。

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カタカナタイプ

ひらがなに対して、カタカナを使うと今度は先鋭的というか、ちょっとアグレッシブな雰囲気が急にしてくるように感じるのはわたしだけでしょうか。

日本語ではなさそうな名前でも、妙にはまってしまうペンネームがあるのでインパクトがあります。

必ずしもそうとは限りませんが、やや尖った文体の作風をイメージするでしょうか。

「田口ランディ」さんや「原田マハ」さん等が思いつきました。

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植物名タイプ

苗字には植物の種類や名前が用いられることはよくありますが、姓ではなく名に植物が入ると、やはりやさしげなイメージを与えます。

生き物や四季の移り変わりなど、自然そのものにまなざしを向ける方も多いような印象をもっています。

「吉本ばなな」さんや「帚木蓬生」さんなど、そして手前味噌ですが、わたしの「三條すずしろ」も大根の古称を拝借しています。

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動物名タイプ

植物がやさしげなイメージなら、動物では力強い雰囲気が醸し出されるような気がします。

もちろん、どのような動物かにもよりますし、種としても幅広いためパターンは膨大になります。

わたしのなかでは「中村うさぎ」さんや、ペンネームそのものではありませんが「畑正憲」さんの「ムツゴロウ」や「北杜夫」さんの「ドクトル・マンボウ」等の印象のためか、エッセイストの方が真っ先に思い浮かびます。

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ハンドルネームタイプ

WEB小説の浸透とも関係があると思うのですが、「姓があって、名があって」というスタイルにこだわらない、ハンドルネームのようなものを用いる作家さんも増えています。

従来の命名パターンにとらわれない自由な印象を与え、やはりライトノベルやWEB小説の作者が圧倒的に多いのではないでしょうか。

「支援BIS」さんや「ヴァージニア二等兵」さんなど、とっても個性的なお名前を拝見します。

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雅号タイプ

昔の作家さんに多いタイプですね。

書家や画家などのように、ペンネームとしての雅号を使う方は、現代作家ではあまり多くはないかもしれません。

ジャンルとしてはやはり純文学をイメージするのではないでしょうか。

「夏目漱石」「森鴎外」「樋口一葉」等々、文学史に残る超有名どころばかりが思い浮かびますが、現代でもあえて雅号を用いると、逆に強い印象があるかもしれませんね。

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法名タイプ

これはかなり特殊ですが、僧籍をおもちのお坊様が作家として活動するケースです。

法名は雅号とは異なりますが独特の響きがあり、すぐに仏道に関わる方だとわかりますものね。

作品も仏教の専門知識と、実体験を十分に生かしたものが多いと思います。

「瀬戸内寂聴」さんや「玄侑宗久」さん等が代表格でしょうか。

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当て字タイプ

これは洒落っ気というか、ちょっとしたジョークも交えたペンネームの付け方で、現代でもよく見られる命名テクニックです。

名前の元ネタを考えさせるという楽しみもあり、読者さんに覚えてもらいやすいという大きなメリットがあります。

「くたばってしまえ」の「二葉亭四迷」、「三島にゆく男」の「三島由紀夫」などはあまりにも有名ですね。

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性別不詳タイプ

作家さんのなかには、ペンネームを見ただけではハテ、男性なのか女性なのかわからない方もいらっしゃいますよね。

もちろんそれも一つのテクニックで、文体から女性かと思わせておいて実は男だった、あるいはその逆、という楽しませ方もあります。

作家は本人の顔が露出することが多くない場合もあり、意図的に性別不詳な雰囲気をまとうこともありますね。

「有栖川有栖」さんや「北村薫」さん等が思い浮かびますが、特に北村薫さんはそのやわらかで繊細な文体から、長らく女性だと思われていたのは有名なお話ですね。

蛇足ながら、わたしも「男?女?どっち?」とよくお問い合わせをいただきます(笑)

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普通人名タイプ

さて、「最も多いペンネーム」と考えられるのがストレートな普通人名タイプです。

本名の場合もあれば、ペンネームとして用いる他の名前である場合もあります。

もしかすると、クラスメイトや同僚にその名前の人がいても不思議ではないようなペンネームでも、作品によって強く印象付けられることで特別な意味を持つようになります。

よく見かけるような特別変わったところのない名前でも、「作家の~」と関することで唯一無二のものとなるのは大きな魅力ではないでしょうか。

作風そのものは多岐にわたるので類型化へのイメージは難しいですが、このタイプのペンネームでインパクトを感じるのは、ひとつのパターンがあると考えます。

それは「ア」の母音を印象付けるペンネーム。

「芥川龍之介」「太宰治」「川端康成」「田山花袋」等々、枚挙に暇がありません。

現代作家ですと「浅田次郎」さんなんかも、苗字の母音がすべて「ア」ですね。

もちろん印象深いペンネームはこの限りではありませんが、声に出して読んだときにアの音が与える溌溂とした声量感が、読み手の心に響くのかもしれませんね。

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まとめ

いかがだったでしょうか?

まったくわたしの独断と偏見ですので、これは十人いれば十通りのイメージがあって然るべきことですが、ペンネームって本当に大切だと思うのです。

きっとすべての作家さんが、創作にあたっての願いや信念を込めてペンネームを名乗っておられることと思います。

そんな様々なペンネームを見て、いったいどんな作家さんなのかなあ、と想像するのも楽しいものですよね。

さて、あなたはどのタイプでしたか?

三條 すずしろ・記

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