4つのタイプ別!「小説の書き方」について考えた

物書きばなし

「小説の書き方」って、どうしてますか?

「小説を書きたいんですけど、なかなか上手くいかなくて……。どうやって書いてるんですか?」


という相談を受けることがよくあります。


「えーっ? もうそんなの、好きなようにどんどん書いちゃってください! わははは」


などと、お茶を濁してきたのですがそういえば、
「どうやって書いているか」
って、ほとんど意識したことがありませんでした。
書きたいけどなかなか書けない、という方のお悩みをよくよく聞いてみると、

1. 途中でよく分からなくなる
2. 完結にまでもっていけない

概ねこの二つが、課題として挙げられるように感じました。
正直、わたしがどうこう言えることではなく、偉そうにコメントするのを避けていたのですが、改めて自分自身はどうなのか? と考え直すきっかけを頂いたと思っています。
そこで、このことをきちんと整理してみることにしました。

あなたはどのタイプ? 4つの作家タイプ

まず、「書く」ことそのものは単純な作業でも、その工程にはいくつものアプローチがあることが重要です。
物語を書きたいと考える人の頭の中には、すでにある程度の像が出来上がっているはずです。
でも、実際にそれを文字に起こそうとすると手が止まってしまう、ということを耳にします。
つまりそれは、イメージとアウトプットがうまく繋がっていない状態といえるでしょう。
そこで、どのような方法であればスムーズに文章を起こすことができるのか、自分自身の「タイプ」を知ることが第一歩となります。
多くの場合、わたしも含めてそれを無意識に行っていると思うのですが、改めて意識してみることで執筆のルーティンが、より明瞭になるのではないでしょうか。
以下に、仮に4つの作家タイプを分類してみました。
それぞれどのような人が該当するのか、また各自の強みと注意点とを挙げていきましょう。

設計者型(デザイナータイプ)

物語を、きっちりと設計して書くタイプの人です。
登場人物の設定やお話の起承転結はもとより、突き詰めると小説には登場しない細かなプロフィールまで作りこむこともあるようです。
設計図に従って書くため、最初の設定がしっかりしていればゴールがぶれることのない、もっとも堅実な小説作成法といえるでしょう。
ただし、設計図そのものを描くためにも習熟と技術がいるため、最初はノートなどに思いつくまま書き出してみるとよいといいます。
このタイプの人の弱点を聞いてみると、皆さん声をそろえて、
「書き出しが遅いこと」
と答えておられました。
入念な下準備が決め手となるため、致し方ない部分ではあるかもしれませんね。

監督型(ディレクタータイプ)

思い描いた物語を、具体的な映像として捉えることができるタイプの人です。
この場合は、まるでカメラを回す映画監督になったかのような感覚をもつそうです。
登場人物はいずれも「役者」のようなもので、自身の指示通りに、脚本に沿って動いてもらっているというイメージです。
キャラクターには実在の俳優などの顔を当てはめることもあるそうで、監督的な立ち位置から物語全体を俯瞰した執筆を得意とします。
このタイプの作家には筆の速い人が多く、多作であることも特徴のひとつです。
一度作り上げたキャラクターは「役者」としての完成度が高まるため、シリーズ物の執筆にも向いています。
俯瞰的であるがゆえに、物語の主軸の置き方に課題を感じる人が多いといいます。

観察者型(オブザーバータイプ)

こちらも物語を映像としてイメージできるタイプですが、目の前で展開するストーリーを第三者として眺めている、といった感覚です。
自分でストーリーを生み出しているはずなのに、そうではなくて まるで映画鑑賞をしているかのような 、不思議な感覚を味わいます。
なかには、ほぼフルオートで登場人物が活動する様子が見える人もいるといいます。
しかしそれを文章に起こすときに、見たままを書くだけだと小説として成り立たなくなることもあるため、「作者としての意図」とのバランスを常時とらなくてはならないという難しさがあります。
また、知らないはずのことも想像力で補えてしまうため、たとえば歴史小説などに取り組む際には慎重に時代考証や検証といった作業をする必要があります。

憑依型(シャーマンタイプ)

いわゆる「降りてきた」という体験に基づくのがこのタイプの人です。
インスピレーションに衝き動かされるので、理屈を超えた躍動感や迫力、勢いといったものを感じさせる文章を書ける作家です。
また、それぞれのシーンでその時の登場人物になり切ったかのような雰囲気を本人が醸し出すことから、別の人格が憑依したような印象を与えます。
時代小説の大家にもこのタイプの人がいたといい、剣豪を描いているときには荒々しく、大名を描いているときには尊大な態度になるなどの実感をエッセイに書いています。
キャラクターに入り込んで書けるという強みの反面、直感のみに頼ると物語全体としての統一性に欠けるというリスクもあります。
また、インスピレーションが欲しい時にいつも必ず降りてくるわけではないため、閃きだけを期待するのは難しいと言えるでしょう。
ひとつのアイディアから、枝葉を伸ばしたり肉付けしたりする工夫がカギとなるタイプです。

実際には、これらのタイプを複合して書いている

いかがだったでしょうか?
みなさんはどのタイプに当てはまったでしょうか。
上記はあくまでも類型の一例であり、実際には いくつもの要素を組み合わせ、無意識に複合して小説を書いているはずです。
また、取材や資料集めなど、地道なリサーチと情報整理も必須の作業であるのはもちろんです。
ただ、自分自身にとってどのような書き方が向いているのかを把握するだけで、文章を生み出す作業がぐっとスムーズになると思います。

どのタイプでも、簡単なプロットが羅針盤になる

小説を書きたいけど上手くいかないという人には、上記いずれのタイプであっても、ぜひ一度簡単な「プロット」を書いてみることをおすすめします。
プロットは小説でいえば、物語の構想についてのラフスケッチのようなものですが、難しく考える必要はありません。
もっともシンプルで、かつ効果があると感じる一例を挙げましょう。

それは「仮のサブタイトル」を書き出しておくことです。

意味を持たせたタイトルでなくて構いません。
「事件」「発端」「ライバル登場」「トラブル発生」「過去エピソード」……等々、各章で目玉となるイベントを示すような名前だと分かりやすくていいでしょう。
これをつなげていけば、物語の構成についての「道しるべ」が出来上がります。
この道しるべに沿って書き進めていくことで、最初のお悩みの「途中でよく分からなくなる」という状態を回避できる可能性が高くなります。
もし迷ったら頭の中だけで進行するのではなく、画面でも紙にでも、とにかくサブタイトルの羅列という、簡単なプロットを書き出してみましょう。
正式なサブタイトルは、それぞれの章を書き上げた後で、じっくり考えればよいのです。
もちろん途中でエピソードを挿入したり、順番を入れ替えたりするのも自在なので、ストーリー展開の構築にも有効な方法です。

オチがなくてもいい! まずは一作の掌編を

小説を完結させることができない、というのも大きな悩みとしてよく耳にするところです。
しかし、これについては「完結の仕方」にも様々なスタイルがあることを念頭に入れましょう。
たとえば、特定のオチがなくて主人公が旅に出るところで終わったり、新たな事件に遭遇することを示唆したりするといった終わり方の作品もたくさんあります。
余韻や含みを持たせて、小説は終わりだけど物語はまだ続いていますよ、といった「読者の想像にお任せする」タイプの締めくくり方です。
書けずに悩む、という人は筋道だった物語の完結にこだわるあまり、着地点を見いだせなくなることが多いといいます。
一作を完成させる、という成功体験はとても重要なモチベーションになるため、まずはもっと自由に、完結スタイルの選択肢を広げてみてはどうでしょうか。
そんな場合におすすめなのが、「掌編」を書くことです。
実は難しいとされる短い文章ですが、まずは最初から分量ありきではなく、書けるだけのボリュームで小盛りから始めてみるのです。
一作が書ければ次の作品、そしてまた次へと、短いターンで着実なステップを踏むのも有意義なトレーニングとなります。
自分の執筆タイプを意識しつつ、書ける分だけ書いてみる。
それだけでも、ゴールがはっきりと見えるようになるのではないでしょうか!

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