WEB小説は複数サイトへの投稿をおすすめする、たった3つの理由
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】第1章 陵山古墳と蛇行剣の王
零神宮と麗人の酒家
夜の神社に来るのは初めてかもしれない。
4月とはいえ空気はしっとりと肌寒く、短い参道沿いの桜は故郷の雪と見紛う白さだ。
和歌山、といえば南国のイメージが強かったけど、山間のこの街は意外と気温が低い。
石灯籠には本物の蝋燭が点され、灯芯がチヂッと揺らめくたび周囲の闇が形を変える。
「神さんに挨拶だけ、しといたしかええわ」
ここを教えてくれた先輩先生のアドバイスに………………~続きを読む~
【紀伊 零神宮のあやかし文化財レポート】プロローグ
~境界をくぐるとき~
夕暮れ時の橋を渡るときとか、列車で長いトンネルに入るときとか。
きんっ、と耳の奥に鍵をかけられたような音がして、少しの頭痛とともにふわっと身体が浮き上がるような感覚に襲われたことはないだろうか。
なんだか自分が自分ではないような、それまでいた時空からぽんっと放り出されて漂うかのような、不思議な感じ。
わたしは、こどもの頃からずっとそうだった。
橋を渡りきったりトン………………~続きを読む~
パンと龍 ~江川英龍の幕末麺麭レシピ~
「かてェな」
その煎餅のようなもののあまりの固さに顔をしかめたのは、むしろ川原石でも平気で嚙み砕きそうな面構えの偉丈夫だ。太い首の筋が浮き彫りになり、戯言ではなく文字通り歯が立たない食い物であることがうかがえる。
「噛めませぬか」
その様子を注視していた向かいの男がぎょろりと大きな眼を巡らせ、言い放つ。
「丹田に気を下ろして噛まれませい。兜を断ち割る気構えにて」
兜を割るつもりで噛まね………………~続きを読む~
信長も認めた、奥河内の「烏帽子形城(えぼしがたじょう)」!山城ガールにも超おすすめの、絶景トレッキング
河内長野駅すぐ近くの山城
烏帽子形城・主郭
山城ガールandボーイの皆様、ごきげんよう。歴史ライター・帯刀コロクです。
今回は隠れた山城スポットとして名高い河内長野市の、「烏帽子形城(えぼしがたじょう)」をご紹介します。
実は南海高野線の車窓から見ることもでき、「え、あの山がお城だったの!?」と言われるくらい行きやすい史跡です。
それでは、その概要をみてみましょう!
信長も配下に………………~続きを読む~
第71回 正倉院展を観に、秋の奈良公園へ
毎秋の恒例、「正倉院展」
奈良・正倉院。東大寺の倉庫として、いまから1350年ほど前に建てられたと考えられている校倉造りの建物です。
天平時代を中心とした工芸品や文書などが大量に伝えられ、建物本体も国宝に指定されています。
そんな正倉院に納められていた宝物を一般公開する「正倉院展」は、2019年度で第71回を数えます。今回は令和の新元号初、そして東京国立博物館でも38年ぶりの特別展開催ということも………………~続きを読む~
2019年「大龍馬恋」に行ってきました
11月15日は龍馬の命日、京都各所で追悼イベント!
京都といえばいまや世界的な人気を誇る土地ですが、歴史好き・幕末好きにとってもある種の聖地であることは間違いありませんよね。
どこを歩いてもみっしりと歴史が詰まった京都ですが、特に11月は我々幕末史ファンには特別な時季となっています。
それは、坂本龍馬の祥月命日が11月15日であること。
みんな大好きな龍馬さんを偲んで、各所でさまざまなイベン………………~続きを読む~
「日本の歴史.com」寄稿記事一覧
幅広い時代を網羅する、歴史トピックの宝庫
帯刀コロク名義で寄稿させていただいた、「日本の歴史.com」さんでの記事一覧です。
歴史ライターとしては自身の最多寄稿数で、とても楽しく書かせていただきました。
主に「武道」というテーマで日本古来の身体文化に関すること、または「食文化史」についての記事が比重を占めています。
古代史関連記事
食文化史関連記事
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「武将ジャパン」寄稿記事一覧
歴史ライター「帯刀コロク(たてわきころく)」としての記事
歴史ニュースポータルサイト、「武将ジャパン」さんに寄稿させていただいた記事の一覧です。
「わかりやすく、おもしろく」をモットーに、幅広い裾野の歴史ファンに向けた多彩なトピックが魅力のサイト。
「帯刀コロク」として、歴史ライターのお仕事デビューとなった思い出深い記事ばかりです。
刀剣トピック
武術トピ………………~続きを読む~
「戦国ヒストリー」寄稿記事一覧
歴史ライター「帯刀コロク(たてわきころく)」としての記事
“本格派戦国webマガジン”と銘打った、「戦国ヒストリー」さんに寄稿させていただいた記事を一覧にしました。
わたしは主に「刀剣」や「甲冑」に関するジャンルの執筆を担当、有名な刀工やちょっとマニアックな歴史トピックなどをご紹介しています。
甲冑関連記事
刀剣関連記事
【WEB小説】『柚子とさば骨』
さっきから幾度となく魚焼きグリルを覗いては、固唾をのんで焼き加減を見守っている。 約束の時間は十二時半だけど、彼のことだからおそらくマナーどおりに五分ほど遅れて訪いを告げるに違いない。 いまかいまかと焼き上がりが待たれるノルウェーさばを筆頭に、メニューはもう実にありふれた、といった感じのものをなるべく自然にみえるようチョイスした。ただしなるべく旬の野菜をつかって、ひと皿ひと皿はっきり違う味付けにすることを心………………~続きを読む~
【WEB小説】『フナダマ』
船内の小さな神棚に塩と洗米を供え、ゴロージは恭しく拍手を打った。 出港前に船のすべてを検め、最後に神棚に礼拝するのは、ゴロージが船頭になってから欠かさない習慣だった。 かつて、船を新造するとその帆柱の根元に古銭や近しい女の髪などを納め、船の魂の拠り所としたという。 「フナダマ」と呼ばれるそれは、船と船乗りたちを守る霊力をもつと信じられ、時代が変わったいまもゴロージは頑なにその伝統を守っていた。 こうして礼拝を………………~続きを読む~
『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ① ―構想編―
『伊緒さんのお嫁ご飯』とは
いつも拙文にお目通しくださり、本当にありがとうございます。このコラムでは、「三條すずしろ」としての代表作である『伊緒さんのお嫁ご飯』について、お話したいと思います。この小説は「伊緒さん」という女性が、夫のためにいろいろとおいしいご飯を作ってくれるというとってもシンプルなお話です。アルファポリスやエブリスタ、カクヨムなどの小説投稿サイトを発表の場にした初めての作品でもありました。あり………………~続きを読む~
『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ② ―執筆編―
通勤電車の中、スマホで書いた
『伊緒さんのお嫁ご飯』で、初めてスマホで小説を書くという経験をしました。それまでは机に向かってPCで書く、というのが基本でしたが、これで空き時間の多くを執筆にあてることができるようになりました。フリック入力での執筆、というのに当初抵抗があったのですが、慣れるとむしろ感覚的に文章が生まれる際にレスポンスの速さを快適に感じました。このおかげで、通勤電車が完全に書斎代わりになってくれま………………~続きを読む~
『伊緒さんのお嫁ご飯』のできるまで ③ ―メニュー編―
一度はつくった家庭料理にこだわった
『伊緒さんのお嫁ご飯』で登場するメニューは、いずれもごくありふれた家庭料理ばかりです。グルメを描いた作品も大好きなのですが、やはり普段お家で口にするものこそ、一番大切だと思ったからです。メニューを選ぶのにこだわったことは、なるべく「自分自身か家族が一度はつくったことのあるもの」にすることでした。食べるシーンも大事なのですが、つくっている最中の手際やちょっとしたコツなどを描く………………~続きを読む~
初日から2日目味の「伊緒さんカレー」! 決め手は"煮切りワイン"に"煮切り梅酒"、ウイスキーや甘酒まで!?
カレーに深みを与える魔法の隠し味、それは「お酒」!
『伊緒さんのお嫁ご飯』第1話では、みんな大好きカレーライスが登場します。
「初日なのに2日目っぽい味」と評されるそのカレーには、隠し味としてたくさんのお酒が使われていることが語られます。
伊緒さんは赤ワインや梅酒を最初から加えていますが、もしお家のカレーに後から入れようとすると、アルコール分が気になるところ。
そこで、あらかじめ煮切ってアル………………~続きを読む~
季節の味わい!たけのこご飯
子供のころ、毎年たけのこ掘りをしていた
たけのこ。えもいわれぬその姿
わたしが18歳まで育ったのは、携帯の電波も届かないような山奥の村でした。山菜がたくさんとれて、今思い返すとよかったなあ、と懐かしく感じてしまいます。
春に楽しみにしていた恵みのひとつが、「たけのこ」でした。植林のスギ林を竹藪が侵食していくので、それを食い止める意味もあって一生懸命掘ったものです。孟宗竹がほとんどで、地面に埋まった………………~続きを読む~
お正月でなくても!コスパ抜群の「伊達巻き」
おせちの定番を手づくり
『伊緒さんのお嫁ご飯』には、けっこうな頻度でお正月の話題が出てきます。それというのも、伊緒さん夫婦はそれぞれの出身が北海道と和歌山で、なかなか食文化のギャップがあるためです。たとえば札幌では、おせち料理は大みそかの晩から食べますが、和歌山では元旦にお重を開けるのが一般的です。お正月行事って、地域の特色が如実に表れるのでおもしろいんですよねえ。なぜかお正月しか食べないような料理も多いので………………~続きを読む~
隠し味はマヨネーズ!30秒でできあがる、ふわふわとろっとろな伊緒さんのスクランブルエッグ
シンプルだけど深い! 大好きなたまご料理
『伊緒さんのお嫁ご飯』第七椀で登場した「とろふわ朝食たまご」。スクランブルエッグです。三條もこれが大好きでよく作るのですが……。かんたんなようで難しいのですよねえ。
そんな奥深さも魅力なたまご料理。いつものレシピをご紹介します。
たまごは常温にもどしておく
3個で2人前くらい
冷蔵庫のたまごはとっても冷たいので、常温にもどしておきます。冷たいま………………~続きを読む~
小松菜がオリーブオイルとポン酢で大変身!おかずにもおつまみにもいける「小松菜のオリポンびたし」
一番人気の小説メニュー
『伊緒さんのお嫁ご飯』「第四椀 「副菜」と呼ばれる小鉢には、伊緒さんの愛があふれていました」で登場した、小松菜を使った副菜。数あるメニューの中でも、これが一番反響があったのです。実際に作ってみました!というコメントをたくさんいただき、小松菜嫌いな旦那さんが喜んで食べてくれた、なんて嬉しいお知らせを寄せてもらった思い出の章です。とってもカンタンなので、レシピというのもおこがましいですがさ………………~続きを読む~
まん丸に“たこ焼き”を焼くためには、90°ずつひっくり返す!たったこれだけでお店の出来ばえ!!
関西育ちなのに……初・お家たこ焼き
『伊緒さんのお嫁ご飯~番外・手作らず編~』の第6膳で、「たこ焼き」の話題を出しました。いわずと知れた“粉もん”の雄で、老若男女問わず関西人はたこ焼きが大好きです。
関西の各家庭には必ず「たこ焼き器」があるというのは有名な都市伝説で、これはおおむね事実であるとされています。ところが……
三條は関西育ちであるにも関わらず、お家でたこ焼きをつくったことがありませんでし………………~続きを読む~