小説の創作を志している方の中には、公募文学賞にチャレンジされている同志も多いのではないでしょうか。
かくいう私もそうで、受賞作の発表日ってそわそわしますよね。
試験の合格発表を迎えるような心境といいますか、「ワンチャン入賞かも」「いや絶対いけてる」「まさか落選にきまってる」などなど期待と自信と不安に波状攻撃される時間が永劫に感じます。
さぞや身体によくないでしょうね……。
文学賞の受賞作は当日発表のものもあれば、該当者に事前連絡がいく場合もあります。
受賞者が実在するか、あるいは受賞の意志があるか等を確認するためです。
ですが実例としてはどのようなパターンがあるのでしょうか。
本記事では私が受賞した3つの文学賞について、どのように受賞の連絡があったのかをレポートします。
もちろん同じ賞でもその都度違ったり規約が変動したりする可能性がありますので、一つの参考にして頂ければと思います。
第3回 西の正倉院みさと文学賞
宮崎県の美郷町が主催する「西の正倉院みさと文学賞」の第3回において、『星読みの国』という作品で佳作を受賞しました。
本来は年末近くと新年1月に選考経過発表が予定されていましたが、コロナ禍の影響で1月に続けて2回発表がありました。
今は公式サイトにも選考経過が載っていないため、以下は当時の私のSNSでの報告です。
当時のみさと文学賞の公式案内では「一次選考→最終選考」とありましたが実際には「一次選考→二次選考→受賞作発表」という流れでした。
二次選考通過者を「ファイナリスト」とし、オンラインで行われた表彰式の場で受賞作が発表されるという趣向です。
これは本当にその瞬間まで自分が受賞しているのか、そうだとしても何賞なのかわかりませんでした。
ただしファイナリストとしてオンライン表彰式に招待された方の中には欠席者があり、受賞該当作ではなかったため受賞者以外には何らかの通知があったものと思われます。
受賞連絡としては変則的なパターンかもしれませんが、事前にプロフィール用の顔写真を送るよう求められたのがそれにあたるかもしれません。
なお、現在はまた異なるタイムスケジュールとなっています。
エブリスタ執筆応援キャンペーン「おいしい時間」
小説投稿サイトの老舗「エブリスタ」が開催しているテーマごとの「執筆応援キャンペーン」。
この「おいしい時間」というテーマで『伊緒さんのお嫁ご飯』が佳作を頂きました。
こちらは当日にサイトで発表され、その後メールでも直接受賞の連絡を頂きましたが、それより早くSNSのフォロワーさんが教えてくださって受賞を知りました。
佳作は賞金が出ない賞でしたので上位の賞ではもしかすると個別に事前連絡があったかもしれませんが、私のケースでは何の動きもありませんでした。
なお、執筆応援キャンペーンは最初の2万文字までが審査対象で、後日その分の講評を編集部から頂戴しています。
アルファポリス 第9回 歴史・時代小説大賞
小説投稿サイトの「アルファポリス」が主催するWEBでは珍しい歴史系文学賞、「第9回歴史・時代小説大賞」において、『剣客逓信ー明治剣戟郵便録ー』が「痛快!エンタメ剣客賞」を受賞しました。
アルファポリスの賞では受賞可能性のある候補者には事前連絡する旨が明記されており、私の場合は発表の10日前に最終候補に残っていることが、3日前(1営業日前)に受賞と賞金授与についてがメールで通知されました。
当然公式発表までは他言しないことの注意があり、最初の最終選考に関する通知ではプロフィールや出版権の意識合わせについて返信を求められ、本人確認が行われました。
ただしアルファポリスには多数の賞があるため必ずしもこの限りではないようで、最終候補に残って「奨励賞」を受賞した作者には事前連絡がないこともあるため、ケースバイケースだと考えられます。
このように、受賞の事前連絡は作者の存在と本人であることを確認するための意味合いも強いといえるでしょう。
以上、現状での文学賞受賞における事前連絡の例をレポートしました。
三條すずしろ・記
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