ライティングの半分は、資料集めでできています
文章を書くお仕事である「ライター」。
自分が書いたものがWEBサイトや本に載って、たくさんの人に読んでもらえると思うと誇らしい気持ちになりますね。
ライターごとに得意なジャンルや専門分野があるかと思いますが、わたしは特に「歴史」に関するトピックを得意としています。
ですが単に歴史といってもあまりにも幅広く、実は私の専門は「日本古代史」の一部であって通史全般に詳しいなんてことはまったくないのです。
ところが、「歴史」という括りで色んなご依頼をいただくことがあり、お声掛けはとっても嬉しいのでだいたい張り切って取り組みます。
そう、「イチから調べて」です。
そこで重要となるのが信頼性の高い参考文献の入手、すなわち「資料集め」です。
歴史系ライティングに至っては「史料集め」ともなりますが、これがなかなか大変な作業です。
現代では図書館の蔵書などは居ながらにして検索できるようになりましたが、実際にそれらを所蔵館まで取りに行けるとは限りません。
遠すぎたり禁帯出だったり貸し出し中だったり、遠方だと複写依頼しても締め切りに間に合わない等々、時間と労力が必要なのです。
こういったことから、「ライティングの半分は資料集め」だとわたしは思っています。
さらに厳しく7割とか8割、なんておっしゃる方もおられるかもしれませんね。
そして重要なのが「信頼性の高い資料」であるということ。
つまりは学術書や論文、またはそれに類する報告書や地方史などがそれにあたります。
なかでも最も便利なのが「学術論文」。
論文と聞くとちょっと難しそうですが、研究史・考察・説の根拠・出典、はては原文の解説や参考文献一覧まで掲載されている超絶お役立ち資料なのです。
そんな論文を中心とした検索サイトは、ライティングの強力な味方になります。
以下に本文のダウンロードも可能な、最強の検索サイトを3つご紹介します!
学術情報データベース CiNii(サイニィ)
まずは国立情報学研究所が運営する学術データベース「CiNii(サイニィ)」です。
図書や論文の検索システムですが、なかにはオープンアクセスのものへのリンクも多数あり、書名検索や論文のダウンロードに威力を発揮します。
2013年の学位規則改正により、博士論文はインターネット公開が義務化されたため高度な学位論文を参照できるのもありがたい限りです。
国立国会図書館デジタルコレクション
いわずとしれた国立国会図書館のデジタルアーカイブ。
貴重図書や古文書などを高精細画像で閲覧でき、拡大やPDF化もできるというすぐれもの。
しかもPDF変換の際にはトリミングや明暗の調整など、至れり尽くせりの機能満載です。
わたしは市史や町史、または明治・大正など古い時代の記述を確認するのに重宝しています。
また、史料の原文を確認できることもあるので、心強い味方です。
総合学術電子ジャーナル J-STAGE
J-STAGEは電子ジャーナルの無料公開システムで、文部科学省所管の独立行政法人科学技術振興機構が運営しています。
ほとんどが無料の電子版で、一部が有料のようですが2020年4月現在で502万超の記事数を確認できました。
論文を検索すると書名や著者名の右横に「PDFをダウンロード」のボタンが表示されるので、取得も迷わなくてすみますね。
まとめ:ライティングの参考文献に、論文を活用しよう!
これ以外にも、たとえばオープンアクセスの論文がまとめられている大学の「機関リポジトリ」などがあり、自由に閲覧することが可能です。
論文で示された説のすべてが正しいわけではありませんが、参考文献としての地位は確実なものです。
このような資料がふんだんに使える現代は、ライターにとって仕事のしやすい環境だといえるでしょう。
もっと気軽に論文を有効活用して、ライティングの強力な味方になってもらいましょう!
帯刀 コロク・記
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