カレー

広告
小説

第一椀 伊緒さんのカレーはどういうわけか、初日から二日寝かせた味がする

 今日の晩ごはんはなんだろうなあ、と、楽しみにしながら帰るなんて子どもの頃には考えられないことだった。  両親はバリバリの共働きだったし、低学年からずっと塾通いだったので、家族で食卓を囲んだ記憶はほとんどない。  夕食はコンビニ弁当か、母が作り置きしてくれた簡単なおかずとおにぎりを、塾で食べるのが普通だった。  自分の周りの子どもたちは皆同じような感じだったので、特段それが変だと思ったことはなかった。  でも、塾へ………………~続きを読む~
広告