うつの経験
一生のうち、およそ7人に1人はうつを経験するという説もあり、現状では20人にひとりがうつと闘っているともいいます。
誰しもがかかる可能性のある、もはや珍しくない病気であり、私もうつを抱えたまま2年以上勤務した経験があります。
うつの苦しみは当人にしかわからず、とても辛い症状に悩まされます。
そんな日々のなか、少しだけ心と体を楽にしてくれたことをお話します。
心身のストレスを和らげてくれたこと
私の場合は不眠・食欲不振・嘔吐感などの身体症状が激しく、頭重感と強い倦怠感が常につきまとっていました。
這うようにして会社に行き、また這うようにして帰宅したらそのまま動けなくなるといった生活がしばらく続きました。
そんな中、少しだけ心身のストレスを和らげてくれた10のことを列挙しました。
なお、あくまで個人的な経験ですので、ご承知のうえで何かの参考にして頂ければ幸いです。
1.ピアノの音
私はある種の「音」に過敏になって、特にガムを噛んだり食事をしたりする時の、他人の口の中のクチャクチャという音が耐え難い苦痛でした。
それで可能な限りヘッドフォンで音楽を聴き、不快な音を遮断するようにしていたのですが、もっとも心地よく感じたのがピアノの音色でした。
クラシックやジャズだけでなく、ポップスやアニソンのカバーも気に入ってよく聴きました。
2.水の音
自然の音が自律神経によいと知り、水が流れる音もよく聞いていました。
映画『インターステラー』で、宇宙船内でノイローゼ気味になったクルーに主人公がイヤフォンを渡すシーンがあります。
そこからは雨や虫の音が聞こえ、それを耳にして呼吸をととのえるという大好きな一齣です。
特にイライラした時や感情が昂ぶったときに水音を聞いて、心を落ち着けていました。
3.猫
家には猫さんがいるのですが、会社から帰ったら必ずお腹の上に乗せてしばらく撫でていました。
アニマルセラピーという言葉があるとおり、生き物と触れ合うことが心によい影響を与えるのは本当だと思います。
4.ハーブティー
私はガチガチのコーヒー党だったのですが、神経によいと聞いてハーブティーを飲むようになりました。
特に就寝前にカモミールティーを飲むとほっとしたのをよく覚えています。
温かい飲み物であるということも大事なようで、香りからも心の安らぎを感じられました。
5.夏のサングラス
うつになってから、夏場に外に出るとめまいや吐き気がするようになりました。
熱中症もあるかもしれませんが、強い太陽の光に過敏に反応するそうです。
サングラスで陽光をカットすると劇的に体調がよくなり、それ以来は夏の外出が少しだけ楽しくなりました。
6.冬のカイロ
うつの症状には、体を温めて血行をよくすることがとても大切です。
冬場は常に貼るタイプのカイロを切らさず、背中に3箇所ほど貼っていました。肩甲骨の間を中心に、背骨沿いに仕込むと手足まで血が通うような感じでした。
首筋を温めるのも効果的で、貼らないタイプのものも常に携帯していました。
7.ナッツ類
無性に食べたくなるものは体が欲しているということもあるのか、ナッツ類をとてもおいしく感じました。
様々な種類の入ったミックスナッツがお気に入りで、味付きのものより無塩タイプが好きでした。
味付きタイプはかなり塩分が濃いため、なるべく無塩にして物足りない場合は適宜ハーブソルトなどをふりかけるといいでしょう。
8.かんきつ類
みかんやオレンジなどのかんきつ類は好んで食べませんでしたが、うつになってから好物になりました。
特に香りに癒やされる感じがして、ぼんやりした頭が一時すっきりするような感覚を得られました。
ビタミンCも効果のある栄養素のため、おすすめ食材としても有名です。
9.ツボ押し
これも血流に関することですが、ツボ押しは常に行っていました。
手のひらや指先はいつでもどこでもでき、首筋などは仕事の合間に頻繁に押さえていました。
自分でもできますがやはり人にやってもらったほうが気持ちよく、心身が軽くなる感じがするため苦痛でなければマッサージ店などもおすすめです。
10.銭湯・サウナ
うつになると入浴も面倒になる場合もあるそうですが、私もなぜか自宅ではシャワーしか使わなくなりました。
一方、スーパー銭湯などの大浴場は好んで行くようになりました。
ただし人が少ない早朝などに限り、ゆっくりと過ごす時間が癒しになったものです。
また、それまではあまり入らなかったサウナも使うようになりました。
冷水浴との組み合わせも慣れると気持ちよく、夏場は特にそれが楽しみにすらなっていました。
いずれにせよ、血流をよくして自律神経を安定させるという意味では適切で、温泉などを利用したうつ治療もあるそうです。
「気分がいい」ことを少しずつ積み重ねることが大事
うつになると心身の活動レベルが著しく低下して、それまで当たり前のようにできていたことができなくなります。
少しでも「気分がいい」と思うことを見つけて、それらを積み重ねていくことが大事だと思います。
私自身まだまだうつと付き合わなくてはなりませんが、上記の10のことを続けています。
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